刑部先生の青空教室 第二回
夏緒「第二回、刑部先生の青空教室、のコーナーがやってまいりました。司会は前回と同じく琴平夏緒と」
ユカリ「あらあら、刑部さんはいらっしゃらないみたいですわよ?」
夏緒「メインが逃げた!? 前代未聞ですよ!! と言いますか! あの人主人公ですけど!?」
ユカリ「そうでもないんじゃなくて? ふふ」
夏緒(……ど、どっちの意味なのかしら……)
夏緒「姉様(あねさま)は堂々としすぎです……っと、まずは紹介してください」
ユカリ「そうね。初めましてー、並河ユカリと申します。夏緒ちゃんの姉になりますわ」
夏緒「姉様はすでにご結婚されていますので名字が違うのです」
ユカリ「そうねー、あー……で? わたくしは何をすればいいのかしら?」
夏緒(行く末に不安が……)
夏緒「取り敢えず登場人物の紹介ですね―――とは言いましても、基本的に琴平家の人物ばかりになりますが」
ユカリ「全員が犯人候補というやつですわね」
夏緒「……」
ユカリ「夏緒ちゃん、夏緒ちゃん! 『真実は何時も一つ!』とか『おじい様の名にかけて!』とか言ったりするのかしら?」
夏緒(っ!! 本気で誰!? 姉様呼んだのは!! 代理ならもっと別にいるでしょう!?)
ユカリ「それとも『これ、お嬢様の勘!』とか―――」
夏緒「もう結構です!! 先に進めましょう!!」
ユカリ「あら?」
夏緒「はい、ではまず一人目。琴平家当主、【琴平譲二】私たちのお父様になりますね」
ユカリ「ふふ。わたくしは血は繋がってませんけどね?」
夏緒「……」
ユカリ「次はお母様かしら」
夏緒「あ、そうですね。【琴平寧々】私たちの母親になります」
ユカリ「夏緒ちゃんは血が繋がってないですわよねー。我が母親ながら大分きつい性格ですわ」
夏緒「……」
ユカリ「次は……兄様(あにさま)かしら?」
夏緒「そう、ですね……えーと、【琴平誠一】私たち姉妹の兄になります。この物語は兄様が殺されてしまったのが原因で始まりますから、登場シーンは凄く少ないのですが」
ユカリ「そうですわね―――そして、唯一お父様とお母様の子供ですわ。その癖、物凄く仲が悪いのですが」
夏緒「あ、あはは……まぁ、私たちは兄弟仲は良いですから」
ユカリ「次は使用人かしら?」
夏緒「我が家の使用人は多少事情がありまして4人のみなのですが」
ユカリ「財政難ですわね。うちの家計は火の車ですわ」
夏緒「姉様! 少し黙ってください!! さっきからマイナス方面の話題しか出てません!!」
ユカリ「あらあら。夏緒ちゃん。苛々には、はいこれ。イリコ」
夏緒(もう、いや……)
夏緒「ぐす、説明行きます。女中が二人。一人目は【枕崎ハヤノ】、そしてもう一人は【綾部緑】となります」
ユカリ「二人とも凄く良い子ですわね」
夏緒(あ。毒が無い……)
ユカリ「次は、料理長、とは言っても一人だけですけれど」
夏緒「まぁ、ほかの方は辞めてしまわれましたからね。えと、料理長の【杉下正人】です」
ユカリ「もともと料理長ではありましたわよね」
夏緒「そうですね」
ユカリ「最後の一人は庭師ですわ」
夏緒「はい。【小寺冬至】。彼のおかげで我が家の庭はとても華やいでいますよね」
ユカリ「ええ」
夏緒「あとは―――ああ、もう登場人物は全員で揃いましたね」
ユカリ「夏緒ちゃん! 大変!」
夏緒「どうかされましたか? 姉様」
ユカリ「このゲーム……女の子キャラクターが多いですわ」
夏緒「……ええ、別に良いのではないでしょうか?」
ユカリ「こう言うゲームって普通男性キャラクターの方が多いのではなくて?」
夏緒「乙女ゲーではないですからね。良いのではないでしょうか? それは今回はこのあたりで。また次回」
ユカリ「オルヴォワール」
夏緒(だから何で仏語!?)