【サンプルシナリオ】

病院から出て、蓮君と一緒に歩く。

【真理亜】「お昼、過ぎちゃったね」
【蓮】「うん」
【真理亜】「何が食べたい? 蓮君の好きなもの作るよ?」
【蓮】「……」

ぎゅっと、手を握られる。そこから、震えが伝わってくる。蓮君の顔を見る。
ぽたりと、何かが落ちて―――地面をぬらす。ポタリ、ポタリと零れ落ちる。

【真理亜】「……蓮君」
ぎゅっと、抱きついた。いや、抱きしめたといった方が良いかもしれない。
【蓮】「ごめ、っごめん……ごめんな。真理亜」
【真理亜】「何で、蓮君が謝るの? 蓮君は……何も悪くないでしょ?」
【蓮】「うん。だけど、ごめ……なんで、オレが泣いてて……」
【真理亜】「大丈夫だよ。大丈夫」
【蓮】「……真理亜」
【真理亜】「大丈夫……ね?」
きっと、怪我をしたときと同じなんだ。
自分が怪我をしたとき、周りの人達がなぜか痛がってしまうような……それと一緒。きっと、一緒。

―――ああ、だけど。だけど……